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鹿児島での日々2 磯御殿! [鹿児島からの風]

8/3(水)は指宿方面行く予定が、変更、ゆう君とパパはマンションでごろごろ。
私は市内の、仙巌園という、島津家の別邸跡にひとりで行ってきました。
ここに併設の尚古集成館に行けば、市内で行ってみたかったところがひととおり見終わるので^^

尚古集成館は、近現代を中心に島津家の殖産興業事業を顕彰した展示内容。
それぞれ興味ひかれるものはありましたが、本来関心のある分野ではないため、
一通りの見学でお終い。
隣の磯工芸館で、お高い薩摩切子で目の保養しつつ、
去年も訪ねた仙巌園そのものに、また入ってみることに。
(尚古集成館と共通のチケットだったんでーw)

パパやゆう君と訪ねた去年も、ひととおり歩き回ったつもりでいましたが、
ひとりで来てみると、まあ、良いところは全然回っていなかったことに気づいて愕然・・・。
奥まった高台にある、ここから日本に広まったという孟宗竹の竹林や、
回遊式日本庭園(曲水の庭)や、
そこから流れ落ちてかつては水力発電にも使われていたという小川や・・・。
やはり、興味のない亭主や子供と一緒では、早く帰りたがられるので、
見えるものも見えない!
旅はひとりが最高です。
(それでも、今回も、更に奥のほうは断念しましたが)


とまれこの仙巌園は、磯庭園とも呼ばれ、
江戸時代初期に19代当主島津光久によって築造されたもので、
桜島と錦江湾を借景にするという思い切りのよい眺めが特徴です。

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先の尚古集成館で見てきたことによれば、
このあたり、幕末明治初期は、大砲や弾丸他最新技術の工場地帯で、
庭園を取り囲むように砲台も築かれていたそうです。
なにしろこの桜島との間の湾内に外国艦艇が入り込んできたのだそうですから、
そりゃ、砲台も準備しますね(^^;
日本史の授業などで「生麦事件をきっかけに薩英戦争勃発、鹿児島湾にイギリス船」などと聞いても、
遠い海に外国の船がボー・・・としか思い浮かびませんが、
実際、その地に立って、すぐ目の前のあの海に外国船が!と想像すれば、
そりゃ、大事です、懐に入り込まれたというより、
腹の中までもぐりこまれたくらいの焦燥感だったでしょう。

この磯庭園のすぐそばの磯海水浴場と桜島との間は、毎年8月のはじめ、
地元の小学生が遠泳で横断することでも有名です。
(桜島からこちらへ泳いできます)
春から特訓して、合格した子供たちだけが挑戦できるそうで、
漁船を出して学校・保護者・地元総出でフォローするのだそうですが、
それでも、小学生が泳ぎきれる距離(4キロちょっとらしいです)の湾内、と思えば、
いかに近距離に敵艦が出現したか、わかると思います。

ちなみにこの遠泳、今では2つの小学校しか参加していないそうですが、
子供たちも親も緊張感は相当なもののよう。
年ごとに経験者が未経験者を助け、時には背に負って泳いだりもするそうで、
読んでいてなんだか感動して涙が出ました。
遠泳があることは、パパからも聞いていたのですが、
たまたま8月のANAの機内誌「翼の王国」に載っていて、情報を得ました。

(今年は8/7でしたが、台風接近のため、当日急遽無念の中止となったそうで・・・
子供たちも準備のみなさんも、さぞ残念だったでしょうね、来年がんばれー(>_<)


さて、去年パパとゆう君がいてしょっぱなから断念していた、磯御殿!
仙巌園の中心である平屋の御殿で、明治以後は島津本家の住居になっていたそうですが、
入園料のほかに500円払うと、この中を案内つきで見学できるのです。
いそいそと参加。
コース出発は30分ごとくらいに時間が決まっていて、
その時集まっている人で出発します。
・・・というと大勢参加するように思えますが、夏休みとはいえ平日の、
しかも10時半でまだ人も少ない時間帯だったお陰か、
私と、もうひとり、おじさまがいただけ。
和服を召した若い美人のお姉さんが、しずしずと案内してまわってくれます。

ベンガラ塗りの室内壁、陶器や銅・漆など製法もデザインも凝った釘隠し、
杉戸の板絵、長押にかけられた槍など、
実は外観はさほど豪勢な作りには見えないこのお屋敷ですが、
中は非常に面白かった!
特に洋風のもてなしに力を入れていたということで、
畳の和室に絨毯をひいて西洋アンティークのテーブルと椅子を置き、
テーブルの上には薩摩切子(模造ですがw)のワイングラスや皿などが、
これでもかと並べられている様など、時代を感じさせてくれました。

御殿の外観などは写真に撮ってこなかったのですが、
見学コースからしか見ることのできない、中庭の風情は、こんなかんじ。
(室内の様子や調度品は写真NG)

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さて、御殿の見学が終わると、お抹茶とお菓子がサービスされます。
裏手の茶店へ。
ここでハタと困ったことが。
見学者は私とおじさま二人だけ。
茶店は何十席もあって予想以上に広いのに、他のお客は誰もいません。
しかも、店員さんは連れと思ったのか、景色が良いからと、
窓際の6人掛け程度の緋毛氈敷きの座席をすすめてくれます。
えーっと(^^;どうしよう?店内あっちとこっちにポツーンも変だし、
6人掛けのはじとはじもなんだか中途半端だし?

ともじもじしていたら、おじさまがポツンと「袖すりあうも、と言いますからね」とおっしゃったので、
これは、ちゃんとした人だと直感、こちらから、眺めがいいそうですからどうぞと、
奥に座っていただき・・・って、目上の人を奥にするのは自然だったのですが、
よく考えたらそれじゃ景色が背になって見えないなー(^^;まあいっかw

「袖すりあうも」程度でちゃんとした人も何もないんですが(^^;
なんとなく、とっさに自然とそんな言葉が出る人なら危険?はないかなとw
しかも「袖振り合う」や「触れ合う」じゃなくて「すりあう」だったので嬉しかったのもあって。

お抹茶とお菓子が運ばれてきて、このまま無言もアレなので、つい、
鹿児島へはお仕事ですか?と話しかけてみたら・・・

東京の方だそうですが、退職して鹿屋の近くに住んでいた先輩が3/12に亡くなられ、
その時は奥様がまだ震災でパニック起こしていたので葬儀にこれず、
今やっとお悔やみに来た、その帰りなのだそうでした。

そこから始まって、亡くなられた先輩の悠々自適生活の話、、
その方につれてまわってもらった鹿児島の名所の話、
その名所の歌を東京のスナックのママさんが歌ってくれた話、
カラオケにあるその歌は、ママさんのものと歌詞も曲も微妙に違う話、
奥様の話、震災の話、防災グッズの話・・・
他愛無いことばかりですが、思わず話がはずみました。
70前くらいのおじさまだったでしょうか、お名前も知らないままですが、
そんなまさに「袖すりあうも他生の縁」こそ、旅の醍醐味。
家族もってからひとりで思い通りの旅することは皆無になりましたが、
ちょっと、昔の様な旅が出来た嬉しい時間でした^^

※たぶん今辞書的には「袖振り合うも多少の縁」が正しいとされると思うのですが、
思い入れがあって、私は「袖すり(摺り)合うも他生の縁」を使っています。
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canaa

一人旅も楽しそう~
じっくり見れてよかったですね・v・
by canaa (2011-08-15 10:42) 

まるさ

♪ かなさん、一人旅、しばし家族を忘れて?wのんびりできました!
パパのイライラと、ゆう君のダダを気しないで、
見たいものじっくり見れるのがいいね!www
by まるさ (2011-08-16 13:51) 

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